第2章 dragon egg?
触れている手が汗ばんでいるような気がして恥ずかしい。
グレイに揶揄われてる…!
グレイの背中を少し睨みながらも、引っ張られるがままに早歩きすれば、
!!
背後から誰かに肩を掴まれて、グレイと繋がれていた手も離れていく。
私が振り返るより早く、桜色の髪が私とグレイの間に入って来て、
「ちょっと待てよ!何でお前がミアと!」
「はぁ?お前が卵に夢中で忙しいからだろうがよ!」
『ナ、ナツとグレイ!待っ…』
「ミアは俺とチームだよな?」
『そ、そのつもりだよ?
だけど…今はナツ、卵を放っておけないでしょ?』
そう振り返ったナツが少し怒ったように私を覗き込む。
もしかしてナツ、ヤキモチ妬いてくれてる?
私の言葉にナツがぎゅっと手を握りしめているのが見えて、少し可愛く見えてしまう。
一歩近付いてふわりと抱きしめると、ビクリと彼の身体が揺れて、彼の耳元で口を開く。
『ふふっ…ナツ、私の寂しかった気持ちが分かった?』
「分かったよ…」
『明日の朝には帰るから。
…産まれてくる卵の子の分まで稼いでくるね』
そう大人しくなったナツの背中をポンッと叩けば、息を吐き出すグレイと目が合う。
グレイのこと、待たせちゃってる…!
ナツから離れようと腕を下ろしながら一歩下がれば、その瞬間、
『きゃっ!ナ、ナツ?』
今度はナツから抱き寄せられて、驚きで心臓がドクドクと大きく鳴ってしまう。
ナツ、まだ納得してない…?