第2章 dragon egg?
「ひゅうっ!仲直りできて良かったなミア」
「やっぱりナツよりミアのが上手だなぁ」
そうギルドメンバー達の楽しそうな声が聞こえてきて、ナツから離れると、ナツがみんなに茶化され始める。
そういえば、マスターやグレイ、エルザやミラも、私がラクサスとケットシェルターに行く事は知っていただろうに、どうしてナツに伝わっていなかったのだろうと首を傾げた。
私の横に座って、意地悪な笑みでナツを眺めているグレイをじっと見つめると、
「ククッ、俺がみんなに黙ってようぜって言ったんだ。
ミア泣かせた罰にしようってな」
『な、泣いてなんか…!』
「ばっちり泣いてただろうが」
『うっ、ナツには言わないで』
「言わねーよ」
?
まだ何かを言っているようにグレイの口が動いていたけれど、ギルドメンバー達の騒ぎ声でかき消されてしまう。
何の返答も求めないグレイはナツの方を向いていて、独り言だったのだと納得する。
何て言ってたのか、少し気になっちゃうな…
そう思いながらも、持ってきた本に視線を落とし、ドラゴンの卵についての記述を探し始める。
マスターがこの前言ってた言葉を思い出して首を傾げる。
『愛より生まれるってどういうことなんだろう…』