第2章 dragon egg?
『ドラゴンについての本は…』
そう独り言を呟きながら、本棚の前を歩いていく。
ウェンディとナツが持っていた卵はほとんど同じ大きさで、似ている魔力を放っていた。きっと同じ種類の生き物の卵であることは間違いないと思うのだけれど、一応、あれらがドラゴンの卵じゃないと確信したかったのだ。
そう夢中でギルドの書庫を歩き回っていると、
『きゃっ…!』
「悪い、驚かせたか?おかえり、ミア」
『グレイ!びっくり、したぁ。ただいま』
後ろから肩を掴まれて、びくりと身体が揺れてしまい、少しの恥ずかしさから口元を手で隠した。
少しだけニヤリと笑ったグレイが、私が持っている数冊の本を持ってくれて、心臓が少しだけ大きな音を立てた。
グレイ、たまに優しいの、ずるい…!
『持ってくれて、ありがとう』
「いいって。
ナツがミアが居ねぇ!って騒いでたけど、出かけること言ってなかったのか?」
『あっ…ナツが家帰って来なかった日に、そのまま出かけちゃったから言えてないんだ』
「まあ、俺は面白かったけどよ。ククッ」
そっか。
ナツが卵を見つけた日に帰って来なくて、昨日私が帰ってきた時もナツは家にいなかったから…今日でナツと離れて4日目になるんだ。
ナツ、私のこと気にしてくれてたんだ
『ナツは今はどこいるか知ってる?』
「さぁ?朝から見てねぇけど、リサーナと一緒かもな」
『そっかぁ…』