第2章 dragon egg?
ぐすんっと涙を流しながら、私の服の裾を掴むウェンディの頭を撫でて落ち着かせる。
ウェンディに出会って、ケットシェルターにお邪魔してから、2日が経過してしまった。
ラクサスもウェンディとの魔法の特訓に付き合ってくれたり、卵を置いておく籠を作ったりしてくれていたのだが、私もラクサスもそろそろ仕事に行かなければならないため、マグノリアに戻ることにしたのだ。
おもてなしをしてくれたギルドマスターのローバウルさんにお礼を伝え握手を交わす。
?
不思議な雰囲気を持つローバウルさんは、この2日の間にも、人間とは思えない魔力を発していることがあり、何度か背筋が凍った。
そして、ウェンディは私の真似をして、攻撃魔法を習得しようと頑張ってくれたのだが、2日では足りなかったようで、まだ帰らないでと泣いてくれている。
「ミアちゃん、ぜっ、たい、また、会える?」
『会える会える!また仕事が落ち着いたら会いに来るし、お手紙も書くよ?』
「ほん、と?お手紙…文字、書けるように、私も、頑張る!」
『ウェンディは偉いね。また機会があったらナツも連れてくるよ』
「ナツ、くん。分かった。待ってる…!」
にこりとお互い微笑み、ぎゅっと抱きしめる。
ウェンディなら、きっと大丈夫。
そう心の中で唱えながら、小さな彼女の頭をポンッと撫でた。
「またね…!」
『うん!元気でね!』
ぶんぶんと手を振っているウェンディにクスリとラクサスと2人で笑いながら、村の出口の方へ歩き始める。
本当にこの村の人は、良い人達だなぁ…
「ミア、じゃあ行くぞ」
『ラクサス、ありがとう』
「ハイハイ。お礼は出世払いにしといてやるよ」
『お礼とるんだ…』