第2章 dragon egg?
「もうすぐ、だよ!ケットシェルター!」
『凄い楽しみ!ウェンディ、案内ありがとう』
ウェンディの卵を、不思議そうに、でもちゃんと優しく持ってくれているラクサスと目が合い笑いかければ、頭をポンッと撫でられ目を細めた。
私がドラゴンスレイヤーであることや、グランディーネの子を探していたことを話すと、ウェンディはすぐに打ち解けてくれて、こうしてギルドまで案内してくれている。
おそらくまだ6歳くらいなはず。
1年前に急に1人でこの世界に放り出されたとなると、凄い不安だったし怖かったよね…
『ウェンディが今日まで無事で良かった。突然1人になって大変だったよね』
「えーとね、怖かったけどね、ジェラールが助けてくれたから大丈夫だったよ!」
「ジェラール?聞いたことある名前だな」
『ジェラール…私は聞いたこと、ないなぁ。
でもその、優しい人がいて良かった…!』
そう笑顔で頷くウェンディが可愛くて思わず、歩きながら抱きしめる。
『一緒に強くなろうね』
「うん!魔法の特訓、頑張る!」
もしウェンディがグランディーネとの突然のお別れに耐えきれず、悲しみの中を過ごしていたら、フェアリーテイルに誘うつもりだったけれど、そう嬉しそうに笑うウェンディを見て、その必要はないと確信する。
良いギルドに出会えたんだなぁ
「この卵どうすんだ?」
「もしかしたら、ドラゴンの卵かもしれないからね、頑張って孵すの!」
「だってよ、ミア。ナツと同じこと言ってんぞ、コイツ」
『ちょっと、複雑…』