第2章 dragon egg?
顔を洗って、服を着替えて、寝癖がついた髪を1つにまとめて…
『お待たせ、しました!』
「おー、じゃあ行くぞ」
『…うん!』
凄く眠いな…
あくびが出そうになったのを堪えてラクサスの横へ走ると、ラクサスが私の頭をポンッと叩く。
……!!
チェリアーナと別れたあの日から、ナツが居ない夜は初めてだった。
いつの間にか2人で寝ることが当たり前になっていて、昨日はほとんど眠れなかったのだ。
寂しさと恐怖と、そして、自分の情けなさ
色々な感情が、元々あまり持っていない自信をさらに無くしていくような、複雑な気分。
「俺はナツより強いから安心しろ」
『私、ナツに嫌われちゃった…?』
「それはねぇんじゃねぇの」
『…そう、だといいな』
ラクサスを見上げると、さらりと揺れる金髪の隙間から少し上がった口角が目に入り、少しだけ気分が軽くなった。
ナツは列車苦手だし…今日は居なくて良かったのかも
心の中でそう思いながら私も無理矢理口角を上げて、列車に駆け込んだんだ。