第2章 dragon egg?
『ぜっ、たい、ドラゴンの卵じゃ、ない、のに…!』
「あーもう、ミア、何も言うな」
そう面倒そうに私を抱き寄せたグレイの服にしがみつき、言われた通り黙って涙を止める努力をする。
「ミアは強いのに、心は結構弱めだよな」
「おい!ミラ!」
「あ?なんだよ、エルザ。やんのか?」
「お前は本当に…はぁ」
聞こえてきたミラの言葉にチクリと胸が痛み、自分のダメさを改めて痛感する。
私はいつも、ナツに頼ってたんだな…
グレイの服にしがみついていた腕を緩め、グレイから少し離れると、優しく微笑んだグレイが私を覗き込む。
「落ち着いたか?」
『うん…ありがとう』
そうお礼を言って自分を律するために軽く息を吐き出すと、エルザがポンッと私の背中を押してくれる。
その優しさに無理矢理口角を持ち上げて、読んでいた本を手にとり書庫へ歩き出す。
この機会にナツ離れしなきゃ…!
リサーナとナツの仲は気になるけれど、この感情はチェリアーナとイグニールの気持ちだと自分に言い聞かせた。
…やっぱ気になる
けれど、明日はウェンディに会いに行くんだ
こんな気持ち忘れなきゃ