第2章 dragon egg?
目頭が熱くなるのを感じて下を向けば、グレイとカナが背中に手を添えてくれて、ナツから遠ざかるようにマスターの近くに戻った。
「全くもう!そんなこと言ったら嫌われちゃうよ?」
「うっせーんだよ、リサーナ」
「ねえ、ナツ。私もその卵、一緒に育てても良い?」
「!…手伝ってくれんのか!?」
「うん!なんか面白そうだし!卵育てんの!」
そんなナツとリサーナの会話が聞こえ、また少し傷ついて、片手で目元を覆った。
卵、リサーナと育てるんだ…
「あやつ、卵に夢中じゃな。ミアも気にするな」
「ミア?……泣いてんのかよ、くっそ、あいつ!」
『うぅ、もういいっ…1人で、行く、もん』
ナツが卵を持ってギルドを出て行ったのを確認すれば、我慢していた涙が次々と溢れ出てきて…
グレイが私の肩にポンッと手を置いて、もう一方の指で私の涙を拭ってくれる。
優しくされるほどに、涙はどんどん溢れてきて、喧嘩していたミラとエルザまで私の頭を撫でてくる。
「あーもう、大丈夫だって、泣くなよ、な?」
『う、グレイ…』
「ナツのやつ…!うちのリサーナも悪気はないが、悪かったな」
「いや、あれはナツが悪いだろう。全く…」