第2章 dragon egg?
エルザは大人だなぁ
そう思いながら、ナツが持ってきた卵を近くに見に行けば、その群青色の模様に不思議な魔力を感じた。
『ドラゴンかは分からないけれど…確かに、魔力がありそう』
「ドラゴンに決まってる!」
『ナツ、あの実は…「エルザが帰ってきたって!?』」
み、ミラ…!?
数ヶ月前にギルドのメンバーとなったジェーン兄弟の長女ミラが、そう喧嘩腰で会話に参加…割り込んでくる。
少し怪訝そうな顔で様子を伺うのは、弟のエルフマン、妹のリサーナだ。
嫌な予感が…
そんな予想はあっという間に現実に変わり、エルザとミラの(くだらない)喧嘩が始まって、
『ナツとグレイみたい…あはは』
「レベル低っ…」
「エルザのやつ、あれで俺達に喧嘩すんなって言うんだから頭くるよな」
そうカナとグレイと目を合わせてぷっと吹き出す。
大人っぽいエルザも面白いところあるんだから…
対してナツは、指の関節をポキポキ鳴らしながらも苛立ちを隠しきれないようで、
「くっそ…エルザもミラも、いつかまとめてぶっ倒してやる」
ナツ、機嫌悪そうだな
で、でも…他のドラゴンスレイヤーに会いに行きたいって言わなきゃ…!
『ナ、ナツ!あの、一緒に行って欲しいところがあるんだけれど…』
「何言ってんだよミア。俺はドラゴンの卵で忙しいんだ!」
『!…私達以外のドラゴンスレイヤーがいるって、マスターが』
「あぁ?ドラゴンじゃねぇじゃん!卵が優先だ!」
!!
いつもより強い口調で断られたショックで、身体がきゅっと縮こまり、一歩後退りする。