第2章 dragon egg?
大喜びのナツに対して、不安で頭がいっぱいになる私。
ドラゴンの可能性はかなり低そう……
「つーわけでじっちゃん!ドラゴン誕生させてくれ!」
「なーにを言うか!バカもん!!」
!!!
私の隣で大声を出すマスターにびっくりして椅子から落ちそうになる。
すると、マスターが静かに口を開いて、
「この世界に生命を冒涜する魔法などないわ。生命は愛より生まれるもの。どんな魔法もそれには及ばん」
『そう、なんだ…』
「何言ってるか全然分かんねぇ」
「ガキにはまだ早過ぎたか…それとも、ナツがバカなのか…」
「なんだと!?」
マスターでもお手上げってことは、この卵はどうしたら孵るんだろう?
温める、とか…?
…それより今は、ウェンディに会いに行きたいな、なんて言ったら空気悪くしちゃうかな
そう頭を抱えていれば、エルザが私の肩にポンッと手を乗せて、私に微笑んだ。
「つまり、孵化させたければ、一生懸命自分の力でやってみろということだ。
普段モノを壊すことしかしてないからな。生命の誕生を学ぶには良い機会だ」
「エルザ!」
「居たのかよ…」
そうナツとグレイがエルザを見てギョッとするのを見て、カナと苦笑いする。
確かに、ナツはモノを壊してばっかりだからピッタリなタイミングではある、かな?