第2章 dragon egg?
『ふああっ』
「眠そうじゃな、ミア」
『昨日の結婚式場の依頼が夜まであって…疲れちゃった』
「おお、毎月1回行ってるあれか!ほほー」
ギルドのカウンターであくびをしていれば、マスターが笑いながら私の頭を撫でる。
1年前に受けた結婚式場の依頼以降、その式場の人に頼まれて月に1回そこで仕事をしている。もちろんナツも一緒に。
あれから1年も経ったんだ。
オトナシの町に現れたという"ドラゴンを操る者"についての情報もゼロだし…
他のドラゴンスレイヤーの行方も分かんないし…
ドラゴンについての情報はほとんど更新されていない。
ただ、ずっと昔にほぼ絶滅したという情報のみ。
『チェリアーナに会いたいな…』
「…ドラゴンの話では無いが、ドラゴンスレイヤーの情報なら手に入れたぞい!」
『え!!?マスター本当!?』
えっへんと自信満々に鼻を鳴らすマスターにいつもより鼓動が大きくなっていく。
ついに、他のドラゴンスレイヤーに…!?
「つい最近、ギルドマスター定例会で知り合ったケットシェルターのマスターによるとな、丁度1年前くらいにウェンディというドラゴンスレイヤーが仲間になったらしい」
『ウェンディ…!グランディーネの子だ!』
「グランディーネとな?」
『チェリアーナの友達のドラゴンだよ!治癒魔法を扱えるの』
「ほー!それはまた凄いのぉ。
ほれ、ケットシェルターまでの行き方じゃ。遠いからラクサスと行け」
『マスター準備良い!ありがとう!!』