第1章 childhood days
やけに冷静な影の人は、話し方や声からしてマカオ達と同じくらいの歳だろうか?
社交的に楽しそうに動く影は、確かに人間そのもので…
「はぁ?意味分かんね。だったらその魔法解けばいいだろ!」
[あ、いや。それが出来ないからお前達に声をかけたのだ。お前達は何者だ?]
「俺達か?俺はフェアリーテイルの魔導士、ドラゴンスレイヤーのナツだ」
『お、同じく…ドラゴンスレイヤーのミアです』
[なに!?ドラゴンスレイヤーだって?まじで?]
「嘘なんかつかねぇよ、そんな驚くことねぇじゃん!」
こんなに非現実的な事が起こっているのに、いつも通りなナツを逞しく感じながらも、
ドラゴンスレイヤーという言葉に反応する影の人に、もしかして本当にドラゴンが居たのではと期待が高まる。
チェリアーナやイグニールではないだろうけど…
[ドラゴンスレイヤーのナツとミア。この魔法を解いておくれ]
「えぇ?別にいいけど、どうすりゃいいんだ?」
[ドラゴンを操る者を倒すんだ]
!!!
『ドラゴンを操るなんて、そんなこと…!』
「出来るわけねぇ。けど…居たらやってやんよ」
あんなに気高く大きなドラゴンを操るなんて…
そんな人、存在しないと思うんだけれど。
それでも、現に、この町の人は見えなくなってしまうというあり得ないことが起きているわけで…
[約束してくれるかい?]
「あぁ。約束だ。ミアと一緒に倒してやる」
[では待っているよ。お前達に希望をかけ、いつまでも待っているから]
…勝手に私も約束させられてる!
って、え!?
話していた男の影の背後にたくさんの人の影が浮かび上がり、目を見開いた。
これが、町の人達…!