第1章 childhood days
さっきの、なんだったんだろう?
ラクサスとマスターがコソコソ話をしていたのを思い出し、ギルドの書庫にある椅子に腰掛け天井を見上げた。
結婚式の依頼の前に見つけたあの本も無くなってたし…
"ゼレフ書"
そう書いてあった禍々しい本は、確かにあったその場所にはもう無くて、付近を探したけれど見当たらなかったのだ。
深く息を吐きだし、立ち上がる。
『調べなきゃいけないことは、まだまだたくさんあるもんね』
アクロノギアについて、とかね。
それに、他の滅竜魔導士達…ウェンディ、ガジル、ローグ、スティング…だっけ。
この人達はナツと私が今いる現在にいるのかな?
もう分からない事だらけだよ…
そう考えながら本棚を物色していれば、ダダダダッと何かが近付いて来る音に気付く。
!?
えっ!?なにっ!?
思わずしゃがみ込んで頭を抱えれば、
「うおおおー!ミア!探したぞ!
ラクサスに聞いたぜ!ドラゴン探しに行こう!」
そう聞き慣れた声が頭上から聞こえて、安心する。
『びっくりした…侵入者かと思った』
「何言ってんだお前…ほら!行こうぜ!」
『え?仕事帰ってきたばっかでしょ?もうすぐ夕方だし…明日に…はぁ、もう居ないのね』
…ナツらしいけれど。