第1章 childhood days
『…い、いただきます』
そう遅めの朝ごはんを前に手を合わせた。
いつもと違うのは、目の前の席に座っているのがナツではなくグレイであるということ。
なぜか、ギルドに着いた瞬間にエルザとカナがナツを無理矢理引っ張って仕事に出かけたため、ナツは居ないのだ。
昨日の今日だから、グレイと一緒にいるの気まずいよ…
…私を見ると気が狂うって言ってたけど、もしかして今も機嫌悪くさせちゃってる?
うぅ…食べづらい…
「ミア」
『!…ぁ、ごめ…私、違う席探すね!』
「ミアを見ると落ち着かない、のは…
俺が、その…好きだから、なんだ」
『ん、ぇ?』
私が席を立ち上がろうとしたその瞬間に、グレイが口を開いた。
その桜色に染まる頬に、グレイの言葉を徐々に理解していく。
ギルドメンバーの賑やかな声が遠のいていき、自身の顔に熱が集まるのを感じた。
好き、って…
……!!!?
「だからその!昨日のは…ミアが嫌とかそういうのじゃねぇんだ!
傷つけて悪かった、本当に」
どうして良いのか分からず、早口でそう言い終えたグレイと目が合ったまま何も言えなくなる。
これは…恋愛小説とかによく出てくる、告白?
「ただ、誤解を解きたかっただけで…
その、好きとか、言うつもり全然無かったんだぜ。
傷つけたこと、許してくれるか?」