第1章 childhood days
頭の中はモヤモヤとイライラでいっぱいで、下を向きながらギルドの椅子に腰かけた。
ミアに誤解された
いや、それよりミアを傷つけちまったよな…
「グレイ、浮かない顔だな」
「おかえりー、グレイ」
『おう……』
「何か、あったの?」
メシを持ってきてくれたエルザとカナに軽く顔を上げ、先程の話をなんとか正直に話せば、2人はぽかんと口を開けて顔を見合わせていた。
…やっぱ、やばい感じ?
「それはまた…」
「面白すぎるんだけど!」
俺の心配を他所にケラケラ笑い出した2人に深く息を吐いた。
こいつらに話した俺が馬鹿だった。
『うるせぇ、静かにしろ』
「グレイが初恋かぁ」
「しかし、ミアが相手とは難しいな…」
「そうかな?」
『あいつには常にナツが隣にいるだろうが』
「ナツ、か…よし!私とエルザに任せて!」
『そりゃどうも』
そうガッツポーズを同時に決める2人。
…あんま期待しちゃダメだなこれは
そう思いながらも軽く礼を言っておく。
もし、ミアの隣にナツがいなくなったとして、俺はちゃんと出来るだろうか?
いや、しないとダメか。
もう、あんな風にミアを傷つけたくないからな。