第1章 childhood days
そう心の中で思うと同時に、口が勝手に開いており、視界に入るムカつく野郎をぶっ飛ばしていた。
『う、わーー!』
「きゃ!?えっ!?ナツ叩いた!?」
驚くミアに顔を見られないように、咄嗟に寝ていたナツを蹴り上げる。
『な、なんでもねぇ!』
「おまっ!人が気持ちよく寝てんのに何すんだアホ!」
ナツの言い分も最もだが、いつもミアの横にいるのが気に入らねぇ。
「グレイ!?本当にどうしちゃったの?!
そんな事したらナツ吐いちゃうよ!」
「そうだそうだー!!」
そうナツを隠すように俺の前へ立つミアに、自分がやってしまった意味の分からなすぎる行動に顔が熱くなる。
凛としたその綺麗な目に、全身が緊張した。
あぁ、俺はミアが好きなんだ。
『うるせえ…かんなを見ると調子狂うんだよ』
自覚した感情とは裏腹に、自分の口から飛び出した言葉は最悪だった。
違うんだ、ミア…
誤解を解こうと口を開こうとすれば、明らかに落ち込んでいるミアが目に入り、言葉が何も出てこない。
クソッ、何言ってんだ俺は…!!
「何言ってんだお前、失礼なやつだな。
かんな、帰ろうぜ!」
「う、うん…なんだか、その…ごめん。
明日、またギルドでね」
そう俺の元から去っていくナツとミアに泣きそうになる。
明日、どんな顔で会えばいいんだよ…