• テキストサイズ

妖精の滅竜魔導士

第1章 childhood days






そう心の中で思うと同時に、口が勝手に開いており、視界に入るムカつく野郎をぶっ飛ばしていた。


『う、わーー!』

「きゃ!?えっ!?ナツ叩いた!?」


驚くミアに顔を見られないように、咄嗟に寝ていたナツを蹴り上げる。


『な、なんでもねぇ!』

「おまっ!人が気持ちよく寝てんのに何すんだアホ!」


ナツの言い分も最もだが、いつもミアの横にいるのが気に入らねぇ。


「グレイ!?本当にどうしちゃったの?!

そんな事したらナツ吐いちゃうよ!」

「そうだそうだー!!」


そうナツを隠すように俺の前へ立つミアに、自分がやってしまった意味の分からなすぎる行動に顔が熱くなる。

凛としたその綺麗な目に、全身が緊張した。





あぁ、俺はミアが好きなんだ。





『うるせえ…かんなを見ると調子狂うんだよ』


自覚した感情とは裏腹に、自分の口から飛び出した言葉は最悪だった。

違うんだ、ミア…

誤解を解こうと口を開こうとすれば、明らかに落ち込んでいるミアが目に入り、言葉が何も出てこない。

クソッ、何言ってんだ俺は…!!


「何言ってんだお前、失礼なやつだな。

かんな、帰ろうぜ!」

「う、うん…なんだか、その…ごめん。

明日、またギルドでね」


そう俺の元から去っていくナツとミアに泣きそうになる。

明日、どんな顔で会えばいいんだよ…






/ 60ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp