第1章 childhood days
ナツの言い分も最もだ。
『グレイ!?本当にどうしちゃったの?!
そんな事したらナツ吐いちゃうよ!』
「そうだそうだー!!」
そう口元を押さえながら言うナツを確認してから、ナツを隠すようにグレイの前へ立つ。
やっぱりグレイの顔、赤い…
「うるせえ…ミアを見ると調子狂うんだよ」
!!
私の顔、そんなに変…?
グレイの言葉にショックを受けて俯けば、ナツが私の前に立って口を開く。
「何言ってんだお前、失礼なやつだな。
ミア、帰ろうぜ!」
『う、うん…なんだか、その…ごめん。
明日、またギルドでね』
今にもグレイに飛びかかろうとするナツの手を引きながら、振り返ってそう謝罪する。
グレイの悲しく辛そうな顔が目に入り、さらに少しショックを受ける。
私、グレイになんかしちゃったのかな。
「…お、おい、ミア?あんなやつの言うことなんか気にすんな!
お前は、その…すっげぇ綺麗なんだからな」
『…嘘でも嬉しい。ありがとう、ナツ』
「嘘じゃねぇよ!」
『ふふっ』
私がナツの手を引いていたはずなのに、気付けばナツが私の手を引いていて、私のためにプリプリ怒ってる姿がなんだか心地良い。
家に着き、ベッドに入れば、もう当たり前のようにナツと抱き合って目を閉じた。
もう、ナツ無しの生活が想像出来ない。