第1章 childhood days
始まっちゃった…
どこに隠れればいいのかという指示もないまま、私はチェリアーナの背中に隠れたまま、チェリアーナが挨拶を交わしたドラゴン達を確認する。
白く美しいドラゴンがグランディーネ
漆黒に包まれたドラゴンがスキアドラム
そして、大きく褐色の鱗のドラゴンがイグニール
凄い魔力と迫力を感じる。
「アクロノギアがまた人間の村を襲った。竜王祭でヤツを絶つ」
「といっても…どうするのよ。私たちでは歯が立たないわ」
「魂を抜かれてしまうかもしれないわね」
「うむ。その時は子の中に入る」
「どういうことだ?」
「ヤツは元々人間だ。我らの子、滅竜魔法の使い手達もあぁなってしまう可能性がある。
それを、我らが子の中に潜むことで防ぎ、かつ我らは延命する」
「なんと…!」
「負ける前提ということか?!」
「そうではない。もしもの時の作だ」
「随分丁寧な準備だな」
「アクロノギア相手だからなぁ…」
展開されていく話に整理が追いつかない。
アクロノギアというのはワルモノっぽいけど…
元人間って…今はどんな姿なんだろう?
めちゃめちゃ強いチェリアーナよりも、さらに強いはずのイグニールでも敵わないかもしれないなんて、アクロノギアって本当に元人間…?
それに…もっと気になるのは
子の中に入るって………え?
チェリアーナが私の、中に?