第1章 childhood days
しばらく夜の空を飛んでいれば、ゆっくりと下降していくのを感じ口を開いた。
『もう着く!?』
「えぇ、すぐに。他のドラゴン達には内緒だから身を隠しているのよ?」
『え?どういうこと…?』
「すぐ分かるわ。その後にイグニールに会わせてあげる」
イグニール以外のドラゴンもいるってこと…?
人間の私はバレてはいけない集まりなのね。
…それなら、どうして?
下を少し覗けば、ゴツゴツとした岩場とその横に広く広がる草原が見えた。
何もない、けれど凄く綺麗な場所。
『チェリアーナ、私、気付かれないようにできるかな』
「ミアは頭が良いもの。今後のことを知っていて欲しいの」
『今後?…っわあ!』
急降下するなら先に言ってよ!!
チェリアーナがふわりと着地すれば、辺りに桜の花びらが舞い散った。
「チェリアーナ、来たか。お前が最後だ」
「イグニール、ごめんなさいね。娘の鍛錬に付き合っていたのよ。
グランディーネやスキアドラムも弟子がいるから分かるでしょう?」
「そうね、チェリアーナ。さぁ、始めましょう」