第1章 childhood days
ま、まあ、確かに…
そう納得しながらもナツが焼いていたお肉達を一緒に食べ進める。
「もくもぐ…そういや、ミア、ずっと本読んでるよな」
『マスターがドラゴンはもういないって言ってたのが気になって。
これ、美味しいね!ナツの焼き加減抜群だ』
「へへっ!…イグニールどこ行っちゃったんだろうなぁ」
そう誇らしげに笑うナツに微笑むが、次に飛び出して来た言葉でナツと目を逸らす。
嘘をつくの、本当に慣れないなぁ
ナツやギルドメンバーが鈍くて助かってるけれど、ちゃんと上手く隠せるようにならないと。
『ははは……
ギルドのみんな、ドラゴンはもう絶滅したって言ってるから…
あくまでも仮説だけど、私達、タイムリープしたのかなって思うよ』
「ほがっ!タイム、リープ、だとっ!?」
『私も信じられないけれど…そう考えると全部辻褄合うよ?
ドラゴンが絶滅する前に人間が使っていた文字は、未来では古代文字と呼ばれていてもう使われていない。古代に生きていた私達が未来の文字を知っているわけないから読めなかった、ていう…』
「おまっ…何言ってんだ!?馬鹿なのか?」
『…ナツには言われたくないかな!』
苦笑いしながらナツに新しいご飯を取り分ける。
信じてくれない…か。
まだ色々調べたいこともあるし、その内また話せばいいかな?