第1章 childhood days
ナツに依頼書の受理をを任せて、書庫へ本を戻しに行く。
えっと、この棚だ。
…この隣の、なんだろ?
読んでいた本の隣に置いてあった一際禍々しさを感じる本を見つける。
仕事から帰ってきたら見てみようかな。
そう軽い気持ちでその場を去る。
その本がどんな恐ろしく意外なモノなのか知らずに…
「結婚おめでとう!」
「お幸せに!」
「すっげぇ綺麗な桜だぁ!」
依頼場所に到着し、早速、新郎新婦の周りに桜を舞わせて会場の至る所を飾りつけた。
ドレス…綺麗だなぁ
ナツはというと、ビュッフェのメインであるステーキを炎で焼いて、周りを盛り上げていた。
焦げないといいんだけれど…
「フェアリーテイルの魔導士さん?
こんなに可愛らしい方だとは思わなかったんだけれど、期待以上よ!ありがとう!」
『あ、いえ。こちらこそ、こんな素敵な仕事をありがとうございます!』
「あっちの男の子の方も頑張ってくれて嬉しいわ!
式はもう終わったから好きなだけ食べていってね!」
「は、はい!」
そう純白のドレスの花嫁さんに言われて、あまりの綺麗さに思わず笑顔になる。
ふんわりセットされた髪に一時的な桜の髪飾りをのせ、ぺこりと頭を下げれば、また華やかに笑う花嫁さんに、憧れずにはいられなかった。
いつか、私も大人になったら…
「ミア!報酬貰ったぞ!あっちでメシも食おう!」
『ナ、ナツ!声が大きいよ!静かに、ね?』
「大丈夫だ、食ってる時は話せねぇからな!」