第1章 childhood days
も、もう一押しだ…!!
『私は昨日はナツにドキドキしてたけど、今はしてなくて…ナツは今朝からだけ、だもんね?
常に、じゃなくて…たまに、チェリアーナとイグニールの感情みたいなものが、お互いの魔法に反応するんじゃないのかな?
今も、私の魔法を傷つけないために火が出ない…とか?』
「なるほどな〜!
…って、イグニールは恋してたのか!?」
『多分そうなの。私もこの前知って…』
信じてくれた…!
少しの心苦しさはあるものの、なんとか信じてくれたことへの安心が優って、微笑んだ。
ふんわりナツを解放して、癒しの魔法をかける。
周りのみんなも徐々に去っていき、モヤモヤの正体が分かったナツは嬉しそうだ。
ただ、身体の中に居るだけだと思っていたのに、こんな形でチェリアーナやイグニールを近くに感じらことになるとは…
私も昨日は恋かもしれないと思ったけれど、今日は何も感じない…ナツには失礼だけれど。
「すっげー!縛られてちょっと攣りそうだったのにめっちゃ動く!」
『うっ…ごめん。キツくしすぎたかも』
「イグニール、ちょっとだけ、ここにいるんだな」
そう胸に手を当てるナツを見て、ぎゅっ胸が締め付けられた。
確かにそこにいるんだけれど…
それはイグニールの一部ではなくて、本当にイグニール全部がそこにいるんだよ。