第1章 childhood days
暖かいシャワーを浴びながら、胸に手を当て息を整える。
『なんだこれ…!』
いつもより速く大きい鼓動に混乱が止まらない。
朝起きたら隣にミアがいて…
顔を覗き込んだら、ミアの桜色に染まった頬が、すっげえ可愛く見えて…
何も無いフリをしたけれど、ミアにバレてはいないだろうか。
なんでだか、バレてはいけない気がする。
きゅっとシャワーを止めて、ギルドのみんなにもらったタオルを手に取り、鏡を見た。
『くそっ…イグニールに言いてぇ!』
「ナ、ナツ…?」
『おわっ!どうした?』
「あ、えと、食べ物が無いから…その、出かけようかと思って…」
『そ、そうだな!』
びっくりしたぁ!
…俺の独り言聞かれた!?
うっわぁ、恥ずっ!
そう1人であたふたしてから息を深く吐き出し、脱衣所を出てミアと交代する。
すれ違う時に香る彼女の匂いに心臓がまたどくりと波打ち、足の力が抜けそうになった。
なんだよ、くそっ…!