第1章 childhood days
本日の主役、ミアとナツが家に帰るっつーから、酔ってないギルドメンバーで見送る。
ギルドの正面扉までミアを送れば、
「ぐ、グレイ、服…」
『えっ!?うわっ、パンツねえ!』
なんと服を全く身につけていなかった。
くっそ…もっとミアと話していたかったのに!
そう唇を噛みながら、見つけたパンツとズボンを履き振り返る。
刹那
ギルド中にふわりと甘い匂いが漂い、次の瞬間には桜の花びらがギルド内を舞っていた。
うっわ…
『なんだこれ…すげぇ綺麗…』
入口に立つミアを見れば、両手でなにかを包むような動作をしており、それとリンクして桜の花びら達がナツを包み、持ち上げたのだ。
ふわりと笑う彼女の表情に釘付けになり、目が離せない。
淡い桜色の胸元まで伸びた髪。
髪色と同じ色の瞳が伏せられた瞼に隠れ、心臓が大きな音を立てた。
ナツを美しい魔法で運びながらギルドを後にしたミア。
もう、頭の中はミアで埋め尽くされていた。
クソッ…
なんであんなやつと同じ家なんだよ…!