第1章 childhood days
大笑いのみんなと苦笑いの私。
いつか私も、みんなの変なところに慣れて笑える日が来ますように。
…よしっ!ナツを運ばなきゃ!
『すぅ………
桜達よ、力を貸して。みんなに綺麗なものを見せたいの』
息を吐き出し、そう静かに囁いた。
途端、私を包むように現れた桜の花びら。
ギルド内に舞わせるように手で指示して、続いて、その花びらをナツを運ぶ桜の絨毯にする。
ギルド内に歓声が巻き起こり、寝ているナツを持ち上げることに成功する。
『良かった!みんな…今日は本当にありがとう!』
みんなと軽い別れの挨拶を交わしてギルドを後にすると、地図を広げて家の場所を確認する。
歩いて15分とか…?
どんな家なんだろう?楽しみだなぁ…
『チェリアーナ、私、人間の友達が出来たよ。
エルザとカナっていうの。とっても優しくて美人さんで…
チェリアーナ、私、頑張るね』
返ってこない返事に寂しさを感じながらも、隣で桜の絨毯に乗って浮かぶナツを見る。
『ナツがいるから、思っていたほど寂しくないよ。
イグニール、ありがとう。……ナツは私に任せてね』