第1章 childhood days
エルザの横に半分隠れながらも、他のギルドメンバー達と会話を重ねていれば、すぐにお開きの時間はやってきて、
「も、もう食えねぇ…」
『えぇ…』
私は引き気味に声を漏らすが、椅子の上に寝転がりお腹をさするナツにギルドのみんなが笑っている。
とても幸せで微笑ましい光景ではあるのだけれど、つい先程育ての親が居なくなってしまった男の子としては、楽観的すぎやしないだろうか?
悲しい気持ちが紛れたなら良かったけれど…
いや、そもそも、ナツに寂しいという感情はあったのかな。
「ミア!」
『は、はい!?』
「これ〜、お前とナツの家への地図じゃ、ひっく…」
ま、マスター…酔ってる……
「ギルドの奴らの使わなくなった布団やら服やら運んでおいたから、当分生活に困ることもなかろう。
地図は読めるか?…私がナツを運ぼうか?」
『エルザ!ありがとう…!!
ううん、大丈夫だよ!ナツは魔法でなんとか運んでみる!』
「おお、それはいいな。鍛錬になるぞ」
『そ、そうかも…あはは…』
今日みんなに会ったばかりだけれど、
このギルドには変な人が多くて、騒がしくて、みんなあったかくて優しい。
しっかりしているエルザでさえ、少しズレているところがあって、でもそこが大好きになりそうな予感がしてる。
『今日はみんなありがとう!これからよろしくお願いします!』
「おう!気ぃつけて帰れよ!」
『ぐ、グレイ、服…』
「えっ!?うわっ!パンツねぇ!」