第1章 childhood days
賑やかな音が遠くから聞こえてくる。
そうだ私…
『んっ……』
目を開けば、美しい緋色の髪が私の視界を掠める。
「目が覚めたか?ちょうどさっき宴が始まったところだ。
これを飲め。甘くて美味しいぞ」
私よりも歳上であろう綺麗な女の子が、そう声をかけながら私を起こしてくれる。
差し出されたジュース…?を受け取り、建物内を見回すと、たくさんの人が踊ったり、歌ったり、ご飯を食べたり…その中心にはナツが居て、
「ミア、というそうだな。私はエルザだ」
『エルザ…側に居てくれてありがとう。初めまして』
「あぁ、よろしく。人は苦手か?」
『あ、いや…ここ何年もチェリアーナ…ドラゴンとしか話してなかったから、その…驚いちゃって。……わっ、これ!すごく美味しい!』
「だろ?!まだまだあるぞ!ケーキも食べよう。
…少しずつ、人に慣れないとな。このギルドは騒がしいんだ」
そう嬉しそうに楽しそうに言うエルザが可愛くて、私も吊られて笑顔になる。
優しいこの子もこのギルドの一員だと思えば、心がじんわり暖かく、身体が安心していくのが分かる。
「さあ、歩けるか?」
『うん!』
「歳が近い仲間を紹介しよう。楽しいぞ」
『ありがとう!エルザ!』