• テキストサイズ

妖精の滅竜魔導士

第1章 childhood days






「な、何言ってんだよ!

イグニールは…イグニールは昨日の夜、俺と一緒に寝たんだぞ!」

『ナツ…』


間違っていない。
イグニールもチェリアーナも他のドラゴンも、私達の世界線では昨日に居た。

けれど今私達がいるこの世界には、お爺さんの話によればドラゴンは居ないようだ。


「おい!ミアもなんとか言え!」

『…ナツ、よく考えてみよう?
私達は、さっき目が覚めて、知らない場所に居た。
昨日は、お互いに自分の寝床でドラゴンと一緒に寝たはずなのに…

信じられないけど…ここが、私たちがドラゴンと暮らしていた場所じゃなくてもおかしくないよ』

「なっ…」


ナツは黙って下を向いて唇を噛み、お爺さんは腕を組んで私の突飛な話を聞いていた。

もっと情報が欲しい。
次にチェリアーナに会った時に、彼女を助けられるように。

息を深く吐いて、お爺さんを見る。


「決まりじゃな。ついて来い」


そう、私の考えを読んだかのように歩き始めたお爺さん。
私は威勢が無くなってしまったナツの手を引いて付いて歩く。

ごめんね、ナツ。
本当の事は話さないとイグニールと約束しちゃったんだ。

元気の無いナツを振り返りながらも丘を降りていく。

それにしても…
チェリアーナやイグニールは私達の中に居るとしても、他のドラゴン達はどこへ行ってしまったの?


『ナツ…一緒に強くなって、ドラゴン達を一緒に見つけよ。

私は、絶対に諦めない』

「お、俺だって諦めねぇ!」

『ふふっ、その調子だよ!』




/ 60ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp