第1章 childhood days
ナツも驚いた様子でお爺さんを凝視しており、私も一歩だけ後ずさる。
「ご両親は?」
『りょ、両親はいなくて…チェリアーナっていうドラゴンに育てられて。
昨日までは一緒だったんだけど…』
「俺も同じだ!イグニールが居なくなっちまったんだ」
「ドラゴン…?本気で言っているのか?」
そう腕を組んで考え始めてしまうお爺さん。
どういう意味…?
ナツと目を合わせるが、2人で首を傾げて終わってしまう。
その刹那
ドゴオオオ!!!
『!!?なにか、来る!』
「あぁ。じっちゃん、下がってろよ!」
「危険じゃ!わしが…!」
『桜竜の__
「火竜の__
『「咆哮!!』」
木々の間より現れたのは大きなゴリラ…?猿…?
こちらに襲いかかってくるのは間違いなさそうだったので、容赦なしで魔法を使った。
ナツのドラゴンの魔法だ…!
驚きと嬉しさでナツの方を向けば、ナツも嬉しそうな顔でこちらを見つめていた。
『すごっ!火吹いた!!』
「お前も花がいっぱい出てきた!!」
キャッキャ言いながらもハイタッチしていると、それを見ていたお爺さんが拍手してくれる。
「見事!滅竜魔法か!
残念じゃが、ここいら一帯…いや、ほぼ世界全土にドラゴンは居ないと言われておる。
ワシのギルドで成長しながら、ドラゴンを探すというのはどうじゃ?」
『ドラゴンが、居ない…?』
あんなにたくさんいたドラゴンが居ない!?
そんなことって…