第1章 childhood days
そう人里があると思われる場所へ歩く道中も、ナツはずっとイグニールを呼びっぱなし。
呼んでも出て来ないのに、切ない…
「ミア!町がある!」
『ほんとだ!』
「ドラゴンはでかいからすぐ見つかるな!」
『そ、そうかもね』
そう走り始めるナツに私も付いて走りながら、とんでもない仮説を思いついてしまう。
人里への道順はほぼ同じ。
似ている岩の配置。
以前よりも大きく広がっている人の町。
時代が、違う…?
それとも、ただの似ている土地?
いや、きっとそうだよね…?
たまたま私が指差した方に町があっただけ。
『ナツ、この町、凄く賑わってるね』
「そうだな〜、あんなに家があればドラゴン見た人いっぱいいるだろうなぁ」
そう丘の上から町を見渡し、風にあたる。
ナツの頭の中は、イグニールでいっぱいなんだなぁ。
そうナツの横顔を眺めていれば、
「ほれ、そこの少年少女よ。こんな危険な場所に子ども2人で何をしておる」
「な、なんだ!?」
『!びっくり、した…』
突如、気配もなくナツとは逆隣に現れたお爺さん。
いつの間に!?
というか、危険な、場所?