第8章 正義
松「まぁ、俺たちは班長の親父さんがやろうとしてたことを
やったまでだけどな。」
と萩くんの方を見ながら口角を上げる
陣平くんと目が合った萩くんはそうだな…と続け
萩「実は班長の親父さんがヤクザ風の男にボコられてた時、
俺もそのコンビニにいたんだよ」
え!?萩くんと班長が同じ場所に…??
班長も凄く驚いていて、動揺が隠しきれてなかった
伊「い、いたのか…??
あの現場に…??」
萩「班長は親父さんに気を取られて覚えてないかもしれねぇけど、あの後、あの男の仲間が数人入ってきたんだよ…」
ヘラヘラと笑っていた萩くんの顔が一瞬真面目になり
萩「親父さんは、気付いてたんだよ…。
近くの車に仲間たちがいるっていうことを。
取り押さえたとしても、加勢にやってくるし
他にも、子供だった俺や、妊婦さんや老人まで居たから
盾籠られると、それこそ被害が及ぶ。」
萩「警察の到着が早かったから…
多分親父さんはとっくに通報して
逃げられないように時間稼ぎとして土下座したんだろうよ…」
萩くんは班長の前までいき…
ドンッと班長の胸に拳をあて
萩「だから、あの土下座は命乞いじゃなく…
誰も傷つけてたまるかっていう警察官のハートが…
そうさせたんじゃねぇの?」