第2章 少女漫画みたいな
「ツナマヨ?」
ドキドキした?聞いて棘は小首を傾げる。悪戯に笑った棘の顔。
胸が弾けそうなくらいにドクドクと鳴っていた。
雪は小さく頷く。ドキドキし過ぎて言葉が出ない。頷くのが精一杯だった。
「いくら」
それで、とそんな雪に構わず棘は続ける。
「ツナ、高菜?」
“ この後どうするの? ”
言って棘は、雪の首元に顔を埋めた。
壁にあった手で雪の顔に触れる。滑った長い指先が雪の首筋に爪を立ててをツツと撫でた。
「高菜。明太子」
“ 彼氏のベッドの上だけど ”
耳元に、甘くて優しい言葉が触れる。
『どうして欲しいの?』
End***