• テキストサイズ

短編夢小説 【呪術廻戦/狗】

第1章 いちごたると




「また…揶揄わないでください。2回目は流石に騙されないですよー。もうその手には乗りませんからね!」

辺りを見回して、雪の目に入ったのはショートケーキの乗った先輩の皿だった。

「あ、じゃあお皿に乗せますね」

言ってショートケーキの皿にひと口分のタルトを置いた。自分のケーキ皿からもう少しクリームを付けて渡すと、狗巻先輩はわざとらしくしゅんと萎れてそれを受け取る。

「おかかー」

狗巻先輩は受け取った皿のタルトをフォークで突いた。

「自分で食べてください」

そんな狗巻先輩に、雪も笑いながら自分のタルトに手を付けた。

うん。いつもの狗巻先輩だ。

狗巻先輩は雪の置いたタルトを口に入れた。
小柄で体格はあまり雪と変わらない。それでいてまつ毛も長くて整った綺麗な顔だけど、案外ひと口が大きいのはやっぱり男の人なんだな、と改めてと思う。

大好きな狗巻先輩とふたりきりで、こうして話すのはまだ少し恥ずかしいけれど。

「しゃけ!ツナマヨ!」

嬉しそうに目を輝かせる狗巻先輩。
それを見て、雪も何だか嬉しくなる。

「はい!苺、美味しいですよね!!」

どちらともなく笑い合う。
雪は紅茶をひと口啜って、また苺タルトにフォークを刺した。

恥ずかしいけれど。それだけじゃなくて。
やっぱり嬉しくて、楽しい時間だった。





/ 69ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp