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【OP】さよなら、My Dear

第6章 麦わらとハート


今日も今日とて、夜通し地下で強制労働を受けてからマルーは地上に出る。
すると何やら街の雰囲気がおかしい。聞いてみると、どうやらドフラミンゴの七武海脱退とドレスローザの王位返還のニュースで国中がパニックを起こす寸前の状態みたいだ。
『本当か……!?』
ドフラミンゴに関する一報を聞いた途端、ヘトヘトの身体が一気に張り詰めたような感覚になる。
――憎きドフラミンゴの失墜がようやく叶った!
不安がって動揺している国民達とは裏腹にマルーは喜び勇んで王の台地へと向かった。
王宮の麓に辿り着くと、ドフラミンゴに一生懸命呼びかける国民達の姿が多くあった。
「ドフラミンゴ様~~! やめないで~!!」
「なぜ王位を下りたんですかー?! ドフラミンゴ様ー!」
「国王様ァ!! 説明してくださーい!」
ドフラミンゴは民衆の前に出てこない。だが必死に呼びかける国民に対して押し黙っている状況を見ただけでもマルーの気分はよくなった。
『今日は最高の日だ! クソみたいな日々からようやく解放される』
ご機嫌な状態のマルーは、パニックを起こしている国民達を眺めるために街中を歩いて回る。
誰だか知らないが、ドフラミンゴを陥れてくれてありがとう! ここ十数年で一番良いニュースだ!



今日は最悪の日だ。
一頻り歩いて回っていたマルーは、新しく国内全土に宣布された報せに耳を疑った。
ドフラミンゴの七武海の脱退と王権の辞任は誤報だったと。他言せず、何もなかったように過ごせとのことだ。
先程とは打って変わってすっかり力が抜けてしまったマルーはトボトボと歩き続け、宛てもなく海沿いの辺りまで来た。
橋の向こうにグリーンビットが見える。鉄の橋は今日もガタガタだ。
『……ん?』
数人の男女がグリーンビットへの橋の前にある立ち入り禁止のバリケードを乗り越えていく姿が見える。なんだか若いし、観光客の一行だろうか。
あの橋は気性の荒い大きな闘魚がいっぱい襲ってくるから危険だ。あんなところに入るくらいだからきっと闘魚のことも橋が途中で崩落してることも何も知らないんだろう。
『おおーい!! そこの! 危ないぞー!!』
マルーは急いで走り、男女の背中を追いかける。
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