第3章 ドジっ子
「へいへい。お前も死ぬなよ、マルー」
軽くいなすように言うロシナンテを、マルーは不満に思いながらも頷いて返した。
あっという間に食事の時間は過ぎ、2人はそれぞれ中佐の仕事に戻っていく。
それから少しの日も経たないうちにロシナンテは北の海での任務に向かい、マルーもまた偉大なる航路の外での長期任務を任され海軍本部から離れて過ごすことになった。
数年後にやっと帰還したマルーはロシナンテの姿を探したがどこにも見当たらない。潜入捜査とやらはそんなに時間がかかるものなのだろうか。
センゴクに行方を訊いてようやく、マルーはロシナンテがどうなったのか知った。
約束が果たされることは、もうなくなってしまった。