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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第14章 お願いの理由、答え合わせ


「そういえばさ」

私は机に頬杖をつく。
向かいに座る零太くんを見つめながら、私は問いかけた。

「何か月前だったかな……私が零太くんの言う事を聞くってやつ。あれ何だったの?」

飲み物が変なところに入ったのか、零太くんは咳き込んだ。

「な、何スかいきなり!?」

動揺しているのが凄く伝わってくる。何だか可愛くて、つい笑ってしまった。

「いやぁ、思い出しただけだよ。気になってさ」

数ヶ月前の事。
私は休み時間に零太くんに呼び出されて、私が零太くんの言う事を聞く──なんていう、身に覚えのない約束を果たせと言われた。

内容は『下の名前を呼んでほしい』。
まぁそれくらいならと彼の言う通り名前を呼んだわけだけど……。呼んだ後の彼の反応も含めて、少し不思議だったのだ。


まさかそれから時が経って、零太くんから告白されるなんて思っていなかった。
今こうやって私の家で過ごしているのも、夢なんじゃないかな、なんて思えてくる。

私は告白された当時の事を思い出しながら、
「あの時様子がおかしかったのって、もしかして照れてたからだったりする?」
と聞いた。

「な〜んて……」

手元にあるコップから、零太くんへと視線を移す。

零太くんの顔が、真っ赤になっていた。
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