第11章 内緒話は斉木家で
「ちなみになんスけど」
私が斉木くんと会話をしていると、鳥束くんが入ってきた。
「透明になったり、千里眼とか……使えます?」
私は少し考え込む。
「透明化は〈透明〉、千里眼は〈見〉とかでいけると思うけど……それがどうしたの?」
私がそう言うやいなや、鳥束くんは私を拝む。
「師匠っ……!」
さっきよりも力強く言われた。
私がもう一度斉木くんを見ると、彼は頷いた。
多分、ろくな事を考えていないんだろうなぁ……。
「これで私の紹介は終わり。私が超能力者な事は、絶対に秘密にしてね……!」
「分かりました師匠!」
鳥束くんは私にキラキラとした眼差しを向けてくる。
そんな風に見られても困る。
私の何が彼をこうさせているのかが分からない。
「あと、私の事師匠って呼ぶのもやめてほしい……」
「はい師匠!」
話聞いてないでしょ。
今後鳥束くんに師匠と呼ばれ慕われる日々を想像して、私は頭が痛くなった。