第11章 内緒話は斉木家で
学校の下駄箱前、上履きを取ろうとした時に肩を叩かれる。
バンダナをつけた紫髪の男の子に、
「アンタが超能力者っスか?」
と言われた。
確かこの人、昨日+組に転校してきたんだっけ? いや、それよりも。
今、何て言った──!?
何でこの人は、私が超能力者だって知ってるんだ……?
「ち、超能力者?ㅤ人違いじゃないかな……?」
まずはとぼけてみる事にした。心臓がうるさい。
内心の緊張を悟られないように、私は笑顔を浮かべる。
「えー、そんなはずはないっスよ!ㅤ話しかける前に幽霊に確認したし」
幽霊?ㅤそう言えば、昨日廊下でチラッとそんな事を聞いた気がする。
聞き慣れない単語に首を傾げていると、斉木くんが登校して来たようだ。
下駄箱に来た彼は、私と紫髪の男の子がいるのを見て顔を顰めた。
「この人って超能力者っスよねー!?」
斉木くんなら知っていると思ったのか、彼は大声で彼に確認する。私は自身が超能力者である事は周りに隠しているから、こんな大声を出されたら困る。
「分かった、分かったから!ㅤ静かにして!」
観念した私は、彼の大声に負けないくらいの声を上げた。