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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第7章 せめて、この痕がある間は


名前さんは、まだ起きる気配がない。

俺は彼女の背後に回り込んだ。

髪を軽くかき分けて、項をさらけ出す。

そこに唇を落としてから、吸い付いた。

彼女の項に、赤い痕がつく。

彼女に気づかれなくてもいい。

せめて、この痕がある間は。

俺の、名前さんであってほしい。

面と向かって告白出来ない俺は、そんな回りくどい方法で、彼女に気持ちを伝えた。
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