第4章 君の肩で眠る
俺の左隣に、名前さんが座っている。
放課後、電車で七駅先の雑貨屋に用事がある名前さんについて行った俺は、今は名前さんと共に帰りの電車に揺られていた。
「見つかって良かった、これ欲しかったんだよね」
通学カバンから目当ての商品が入った袋を取り出し、嬉しそうに名前さんは言う。
「ついてきてくれてありがとう。めっちゃ助かったよ」
「どういたしまして。……名前さんは方向音痴ですからねぇ」
それを聞いた名前さんは顔を顰める。
事実ではあるから、反論するつもりはないらしい。
実際、雑貨屋への行き方を書いたメモを持っているのに、名前さんは何度も変な方向へ行こうとしていた。
そんな彼女も愛おしい。