第3章 放課後、美術室にて
放課後の美術室。
ここには今、私と鳥束くんの二人しかいない。
作品の提出期限が迫っていて遅くまで案を練っていたところ、まだ帰っていなかったらしい鳥束くんから『一緒に帰ろう』と誘われたのだ。
「うわ、紙すげー多いっスね」
机の上に大量の紙を置いた私を見ながら、鳥束くんが言う。
彼の言う『紙』には、デザインの案が書かれている。
中々決まらず色々と書いているうちに、結構な枚数になってしまった。
「デザインどうするか決めるのに、時間かかっちゃったんだよね」
そう言いながら、私は片付けを進めていった。