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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第25章 大学終わり、君との時間


彼の第一印象は、綺麗な瞳をした変な子、だった。



時刻は十五時四十分。今日は授業は三限目までだったから、家に帰っても自由な時間がたっぷりとある。

電車に揺られ最寄り駅につき、自宅までの道を歩む。
私の近所にはPK学園という名前の高校があり今の時間なら帰宅する生徒たちが歩いているはずだが、何故か生徒は全くいなかった。
生徒の集団は少し前に通っていたのかもしれない。

しばらく歩いていると、前方に見える公園からふよふよと浮いている幽霊が出てきて、こちらに向かってきているのが分かった。


──私には霊感がある。幼い頃からそうだった。
はっきりと視えるせいで生身の人間と幽霊の区別がつかず、話しかけたのが幽霊で、他人からすると『無に向かって話しかけている女の子』になってしまった事も……。
困った事もあったりするけれど、幽霊は良い人が多いし話し相手にもなるから、私はこの霊能力と上手く付き合えている。


公園から出てきた幽霊は、急に低空飛行を始めた。
こういう挙動を見た事はあまりないため少々面食らう。

低空飛行のまま私に近寄ってきた幽霊は、まるで私のスカートの中を覗き込むようにしており──。

「んなあぁ!?」

私は思わず大声を上げ、幽霊の顔目掛けて蹴りを入れてしまった。
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