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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第23章 小鳥の囀り、朝日を浴びて


愛おしさが溢れそうだ。いや、もう溢れてるかも。溢れている分が私の表情と彼を撫でる手つきに出ている。

「名前さん、もう起きます?」

「零太は?」

「もっかい寝ます……」

眠そうな声で喋る零太。

「じゃあ、私も寝ようかな」

私は動いた時に少し下がってしまった掛け布団を肩までかけ直した。

「好きだよ、零太」

彼は、もう眠ってしまっただろうか? 聞いてなくてもいい。思いを声に出したかっただけだから。

私も眠ろうと目を閉じた時、
「俺も、名前さんの事、好きです……」
眠気の交じった声が隣から聞こえてきた。

何だ、聞いてたんだ。

お泊まり二日目の朝。

二度寝から目が覚めたら、幸せな一日が待っている気がする。
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