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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第23章 小鳥の囀り、朝日を浴びて


大学入学を機に一人暮らしを始めた私の家には、二人分の歯ブラシが置いてある。
あとは、女である私の部屋に、自分では絶対に着ないだろう男物の服がハンガーにかかっていたり。

一人暮らしである私の家に自分以外の物があるのは、時々彼氏が私の家に泊まっているからだ。

女友達が泊まりに来た時に彼女に歯ブラシについて問い詰められ、正直に話したところ結構な大声を出されたのはいつ頃だったか。


大学生活も二年目。
夏休みである今は、彼氏である鳥束零太が我が家に泊まっていた。

お互い夏休みの期間は長く余裕があるためお泊まりの期間は一週間を予定しており、私の部屋の片隅には零太の持ってきた荷物が置かれている。
彼がいるんだという実感が得られるため、荷物が置かれているのは結構好きだったりする。邪魔だとは思わない。

起きているとも寝ているともつかない、目覚めた時特有のあの時間。
まだ重い瞼は閉じたまま、私は寝返りを打った。

「ん……」

私の隣から、微かに声がする。

起こしちゃっただろうか? ぼんやりと考えつつ、私は目を開けた。

寝返りを打った事で、私の視界いっぱいに眠る零太がうつった。どうやら彼はまだ夢の中らしい。起こしてしまった訳ではなくて安心した。
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