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【斉木楠雄のΨ難】鳥束だけの短編集

第18章 あんな事を言う辺り、俺はあの人に一生勝てる気がしない


その日の夜。

ベッドに寝転び目を瞑るが、一向に眠れない。

寝ようとすればする程昼間の苗字の言葉や姿が思い浮かび、中々寝付けないのだ。

眠るのは一旦諦めた鳥束は、目を開き何をするでもなく天井を見つめる。

名前さんは、俺の事が好き?

今まで告白しても流された事を考えると信じられない話ではあるが、これが事実なのだと考えるとつい頬が緩んでしまう。

(つーか、それならなんで俺が告白してもさらっと流してたんだ!?)

新たな疑問が出てしまい、そのせいで余計眠れなくなる。


明日会ったら、苗字が去り際残した『眠れない夜を過ごせばいい』との言葉の通りになった事を言ってやろうか。

(いや、なんか負けた気がすんな……)

例え向こうから聞かれたとしても、眠れなかったなんて絶対に言ってやらない。

両思いだった幸せと彼女に言われた通りになった事への少しの悔しさを胸に抱き、鳥束は再度目を閉じた。
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