第7章 学園祭
「〜♪」
蛍介や敏斗の時と同様、周りがどよめき出した。
ギターを弾きながら歌うは最初こそ声が小さかったものの、サビにかかる頃には大盛り上がりを見せた。
あの3人組は面白くなさそうな顔をしてその場を後にした。
はみんなの元へと戻った。
瑞「知らなかった!歌うますぎ!!」
美「アイドルみたいだったわよ!!」
バ「ホロリ」
翔「すげぇな!バスコも感動してる」
四宮は何も言わないが親指を立ててグッドのポーズをしてくれた。
蛍「ちゃん、かっこよかった!」
「蛍介くんも、かっこよかったよ。もちろん敏斗くんも」
敏「ぼ、僕はそんな…」
社「いや〜」
するとそこへ貴仁と敏斗が受けた芸能事務所の社長がやってきた。
貴仁は歌を聞かれ合格したが、敏斗は歌を聞いてももらえず落ちたのだ。
社「君はこの前オーディションに来た子やな」
敏「は、はい!!」
社「うむ。よかったで。あの時はすまんかった」
敏「い、いえ…」
社「ワシの名刺や。携帯番号も書いといたから」
社長は名刺を差し出した。
敏「は、はい。ありがとうございます」
社「連絡待ってるで
長谷川蛍介くん、天羽ちゃん」
しかし差し出された相手は敏斗ではなかった。
蛍「…え?」
「敏斗くんは…」
社「うん?敏斗って誰や」
蛍「今声をかけていらっしゃった…」
社「あぁ、彼なぁ。そりゃうまいで。プロの世界やなかったらどこでもやっていける。でもこの世界じゃ使い物にならんわ」
「そ、そんな言い方あんまりです…」
社「ワシが冷たいんやない。冷たいのは大衆や。大衆は自分が好きなもんが並ばんことには手もつけんのや。それより今すぐにでもウチと契約しよか、2人とも。全力でバックアップさせてもらうわ」
蛍「あ、あの…契約したらお給料は…」
社「なんやと?デビューするまでそんなもんない」
蛍「じゃ、じゃあ無理です…」
「私も生活費を稼がないと…」
社「何ぃ?ウチの練習生になりとうないんか?ほ…ほんなら契約金を出そう」