第6章 祖母
昼になり、は瑞稀と食堂に向かった。
瑞「、見て」
「あ、蛍介くんと森永くんともう1人増えてる」
瑞「ヴォーカルダンス学科今敏斗よ。彼もよくいじめられちゃってるんだよね…」
「そうなんだ…」
するとポーンとの足元にコップが転がってきた。
が反射的にそれを拾うと
貴「おい、女。何拾ってんだ」
「え?」
貴「俺は敏斗に水を汲んで来いって言ったんだよ」
「…」
貴「聞こえねーのか!」
貴仁はの手を蹴り上げた。
「いたっ…」
瑞「!」
流「てめぇ…」
四「…」
蛍「ちゃん!」
バ「…」
いつの間にか流星や四宮、バスコまでも近くに来ていた。
バ「おい」
バスコが貴仁に物申そうとするとが口を開いた。
「水くらい、自分で汲めないの?」
貴「あ?」
周りがどよめき出した。
「自分で考えたことを、自分の意思で動いて、実行することは出来ないのかって聞いてるの」
貴「なんだ?女のくせに、俺に突っかかってくんのか?」
「それができるのに、しないなんて、勿体無い。人の手を借りなくても、思うように動けるってすごく幸せなことなのに。あなたにはそれが分からないんだね」
貴「てめぇ…調子こいてんじゃ…」
貴仁が拳を振り上げると
バ「の言うとおりだ。お前こそ調子に乗るんじゃない」
バスコが名前に立ちはだかった。
貴「くっ…!」
貴仁は気づけば周りに、を守ろうとするバスコ率いるバーンナックルや蛍介、四宮や流星に囲まれていた。
貴「クソ野郎!どいつもこいつもうっぜーな!」
トレーを蹴飛ばすとそのままその場を去っていった。
瑞「!あれ……いない…」
瑞稀がのそばへ行こうとするとそこにの姿はもう無くなっていた。