第6章 祖母
「いたた…」
淑「うぅ…」
は間一髪のところで、頭を打たないよう祖母の頭に手を添えて歩道側に押し、一緒に倒れ込んだ。
遊「!!」
バ「おい!」
翔「大丈夫か!」
四「!!」
探していた全員がその一部始終を見ていた。
そして駆け寄ってきた。
「私は大丈夫…ばあちゃん怪我はない?」
皆の言葉にホッと胸を撫で下ろしたのも束の間。
淑「こ…この人殺し!!」
「え…?」
だけではない、皆唖然とした。
急に祖母はに向かってそんな言葉を吐き出したのだ。
淑「か弱い年寄りを…転ばせるなんて…死んじまってたかもしれないだろ!」
「ち、違うよ、ばあちゃん…私はただ…」
は擦りむいた手で祖母に触れようとすると
淑「触るな!そんな手で触れられたら殺されちまうね!」
「…」
遊以外、皆言葉を失った。
の目からは瞬きもしていないのに次々と涙が溢れた。
遊「ばあちゃん!いい加減にしろ!助けてもらってなんてこと言うんだ!」
淑「遊!!遊も見たろ!?この小娘が私を殺そうとするところを!」
「…」
バ「っ」
翔「お、おい」
四「!」
遊「なっ…」
は1人その場を駆け出した。
4人ともすぐにでも追いかけたかったが、祖母があまりに取り乱しているので行くに行けなかった。
遊「ばあちゃん、俺にはっていう大事な妹がいるんだ。ばあちゃんも知ってるはずだ。ばあちゃんの孫だよ。も俺も同じように可愛がってくれてたじゃないか。ばあちゃん、を傷つけないで。酷いことを言わないで。俺のことを思い出す時は、妹であるのことも一緒に思い出して。」
淑「あぁ…」
遊「思い出した?」
淑「うん」
遊「約束して、な?」
淑「うん」
遊「が帰ってきたら謝ろう。」
遊はばあちゃんの肩を支えた。
遊「施設もそろそろ考えないと…」(ボソッ)
その言葉を3人は聞き逃さなかった。
遊「俺先連れて帰るから、の事探しに行ってやってくんねぇかな」
3人とも快く返事をした。