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外見至上主義に抗いを

第12章 転校生2


お盆休みが明けると、また転校生が入ってきた。

先「転校生を紹介する」

男子生徒1「女子?」
女子生徒1「男子?」

先「女子だ、入れ」

男子生徒たち「「「うぉぉぉ!」」」

明「初めまして、練馬明里です。よろしくお願いします」

男子生徒たち「「「…」」」

男子たちが喜んだのは束の間だった。
転校生はチビ蛍介にそっくりな女の子だった。
この時期に転校してくるなど、蛍介は他人事には思えなかった。

女子生徒1「やばくない?」
女子生徒2「寸胴」
女子生徒3「クスクス」

そんなことをコソコソ周りの女子たちは話していた。

明(転校するたびに感じるいつものリアクション…あれが女子の中心グループか…あの子…ずば抜けてルックスがいいわね…)

明里は瑞稀と唯、美玲、そしてのグループを見てそう思った。

明(そして私が入るグループは…こっち。ありがたいけど、影の薄いグループ)

影の薄いグループは明里に向かって、よろしくね、目がきれいだよね、などと話しかけてきた。

明(男子の中心的グループはあそこか…)
明里は話しかけてきたグループと会話をしながら、流星、四宮、蛍介がいるグループを見た。

明(ああいう男子たちは、私を透明人間扱いするか、あるいはネタにしたり、馬鹿にしたりするか)

家はどこなのか聞かれたため、日ノ出山だと答えると、貧乏人が住むところだと周りが言った。
周りの男子や女子はまだ中身も知らない明里のことを思い思いに悪く言った。
それに耐えきれなくなった蛍介は明里に話しかけようとした。

蛍「や…」

「明里ちゃん?でいいかな?呼び方」

しかしの方が先に話しかけた。
周りのみんなが驚いた。

「私は天羽。私の家も日ノ出山なの。そこにいる蛍介くんもだよ」

蛍「うん。僕は長谷川蛍介。僕もこの間転校してきたんだ。丘の上は立派な家も多いし、空気もきれいだし、ご近所さんも優しいんだ。」

「私たちとご近所さんなんだね、よろしくね」

すると周りからは蛍介を讃える女子の声、を讃える男子の声がヒソヒソと聞こえた。

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