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外見至上主義に抗いを

第11章 墓参り


蛍「あぁ、平気平気、そのままでいいから。こんな慣れない町でとんだ災難だったね。あいつに喧嘩ふっかけられたんでしょ?あいつ、この辺じゃ有名な不良だからさ」

すると四宮は蛍介の目の前に封筒と蛍介が母親からもらった千円札をスッと差し出してきた。

蛍「!?」
蛍(僕のお金…!?取り返してくれたの?四宮が?今西から僕の代わりに!?なのに…当の僕は…体が変わったからってなんなんだ…情けないのはそのままじゃないか!見た目が変わったからって…僕自身が変わったわけじゃない!結局大事なのは自分自身だった…)

四宮は蛍介が取られたお金を取り返しに今西に会いに行って喧嘩になったのだ。そして今西にやられ、気絶してしまったところを蛍介は助けに来たのだが、今西にトラウマがある蛍介はお金を諦め、帰ったのだった。

蛍「ううっ…うっ…」
蛍介は自分の不甲斐なさに泣いた。

「け、蛍介くん!?」

四「や、やっぱり重かったんだ!」
四宮は急いで蛍介の背中から降りると、今度は蛍介を自分がおんぶすると言い出した。

蛍「し、四宮…重くて泣いたわけじゃないんだって!おんぶとかしなくて大丈夫だから!本当に!」

3人は歩いて蛍介の家に向かった。

四「はお墓参り行ったの?」

「うん」

蛍「どこにあるの?ここから遠い?」

「バスで1時間くらいのところだよ」

蛍「そうなんだ…」

「京城大受けるって報告してきたんだ。蛍介くんも知ってるんでしょ?」

蛍「えぇ!?」

「四宮から聞いたよ。四宮と一緒に、私と先生の話聞いてたんでしょ」

蛍「あ、う、うん…ごめん…勝手に聞いたりして」

「いいよ」

四「勉強は順調?」

「うーん…行き詰まる時もあるよ、正直結構苦しいかな…。でも、絶対合格したいの」

蛍「今の現状を抜け出したいから?」

「え?あー、コンビニの蛍介くんから聞いたのか。もちろんそれもあるよ。でも…」



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